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執筆者の写真Yumi Noguchi

港区立伝統文化交流館を見学しました


2020年開館

山手線田町駅から徒歩8分、芝浦工大近く


芝浦花柳界のかつての華やかさを伝える、築84年の木造建築です。

都内に残された唯一の木造の見番(芸妓さんの派遣を行う場所)が、保存再生されて、地域の交流館となっていました。


唐破風(玄関の庇にあたる曲線の屋根)

2階の木造の欄干は、今の建築基準法を満たさないので、室内側に目立たないように手すりがつけられています。


左側は併設された新館、主にバリアフリー対策か


周りは高層ビルばかり、取り壊される運命だったものを、有志が働きかけて区が応えた理想的な保存活用例だと思います。


DESIGNATED CULTURAL ASSET of MINATO WARD

港区指定有形文化財


建物を建てた人:細川力蔵(目黒雅叙園など)

芝浦花柳界の繁栄願い出資

実際に建てた人:棟梁 酒井久五郎


設計、現場、許可申請、造園

よみがえらせた方:青木茂(青木茂建築工房)、現場の方々


そして、有志の情熱と港区


元の建築意匠を尊重、廃材をほとんど出さないように、柱や梁は継ぎ、外壁材、床板、天井も、朽ちた部分だけを交換、、ものすごく繊細な再生設計に感動しました。


階段の親柱、柱頭は擬宝珠(ギボシ)

内側に新設の手すり



置屋に所属する芸妓さんが稽古する、舞台付き大広間「百畳敷」

木格子耐震壁なので抜け感あり








耐震補強:頑丈な格子の壁

柱を挟んで、梁も挟んで、さりげなく補強してあげる。


柱がありがとうって言ってる感じ

























私がいるのは新館。

エレベーターや、バリアフリー対応のお手洗いも。現在の建築基準法に合わせています。


エキスパンションジョイントで、構造的には分かれていました。


窓の外、軒桁が継いであります。

外壁も残すところは残しながら、きめ細やかな修繕です。

補強痕(痕跡)を残す。修繕自体も後世に残す財産です。by 古市 伸一郎さん

新館ファサードの縦格子にも、母屋への気づかいが感じられました。


1階展示室の資料より


不同沈下、既存杭の腐朽対策として、建物をジャッキアップして基礎を打ち替え、曳家(ひきや)8メートルほど移動。


土壁は改修の度に上塗りされていたので、壁を少しずつはがしながら各層を確認。改修で用途が変わったであろう部屋の格式により、色と仕上げを変えていたとのこと。


エンターテインメントの要としての本来の役割通りに、これからも人々に芸能で楽しさを提供する場所であり続けてください!


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